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当院での糖尿病の治療

当院では、食事療法、運動療法、内服薬やインスリンの注射による薬物療法を行っています。

「治療方針は話し合いで決定」

糖尿病は完治するのが難しい病気の一つです。そのため治療は、患者さん本人の意向やライフスタイル、また要望も踏まえた上で、無理の無い患者さん毎の治療方針を立てて行います。

そのため、「タバコはよくないので明日からやめてください」や「3ヶ月で10kg体重を減らしてください」など、一方的に押し付ける治療の設定はいたしません。最初に患者さんからアンケートを取り、生活習慣や性格などをヒアリングしたうえで、じっくり治療計画を立てさせていただきます。

また、糖尿病治療にどう向き合ったらいいか不安な患者さんのために、当院で作成した冊子をお渡ししています。治療中に何かご不明な点がございましたら、お気軽におたずね下さい。

「食事療法」

 

生活習慣病の典型といえる糖尿病は、一生かけて付き合っていく必要のある病気です。「糖尿病の食品交換表」は食事療法に有用ですが、煩雑な面があります。当院では、患者さんの手のひらの大きさに合わせた「手ばかり栄養法」の指導で成果を上げています。例えば、緑黄色野菜は両手1杯分、その他の野菜は両手2杯分を食べることが望ましいとされます。

また、患者さんには手づくりの糖尿病ハンドブックをお渡しし、日常生活のアドバイスとして活用いただいています。

「運動療法」


定期的な運動をすることで、体のインスリン感受性が改善されます。また血液中にあふれたブドウ糖が、運動により筋肉の細胞内に取り込まれ、血糖値が低下します。

運動は週に3回以上行うことが望ましいので、「いつでも、どこでも、ひとりでもできる」ことが推奨されます。その代表例がウォーキングでしょう。インスリン感受性の改善が目的なら、それほど激しい運動を行う必要はありません。ちなみに20分のウォーキングで、約80キロカロリーが消費されます。

「薬物療法」

食事療法や運動療法を続けても改善が見られない場合やコントロールが悪い場合には、薬物療法を行います。
「経口薬(飲み薬)療法」と「注射薬療法」に大別されますが、経口薬の分類は右記の通りです。

具体的な主な薬剤名としては、

ビグアナイド薬ーメトグルコ、メトホルミン
チアゾリジン薬ーアクトス、ピオグリタゾン
スルホニル尿素(SU)薬ーアマリール、グリメピリド
速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)ーグルファスト、シュアポスト、ナテグリニド
DPP-4阻害薬ーグラクティブ、ジャヌビア、エクア、ネシーナ、トラゼンタ、テネリア、スイニー、オングリザ
α-グルコシダーセ阻害薬(αGI)ーセイブル、ボグリボース、アカルボース
SGLT2阻害薬ースーグラ、フォシーガ、ルセフィ、アプルウェイ、デベルザ、カナグル、ジャディアンス
等が挙げられます。糖尿病の経口薬は近年豊富になっていますが、その分飲み合わせに注意が必要です。


注射薬療法はさらに、「インスリン療法」と「GLP-1受容体作動薬」に分類されます。

インスリン療法は主として

・インスリン依存状態(インスリン分泌が著しく少ない)
・インスリン依存状態ではないものの、著しい高血糖(例えば空腹時血糖値250以上、随時血糖値350以上)
・経口薬療法のみでは良好な糖尿病コントロールが得られない
・痩せ型で栄養状態が低下している
患者さんが適応になります。

GLP-1受容体作動薬は主として

・インスリン分泌促進作用およびグルカゴン分泌抑制作用がある
・食欲抑制作用に基づく体重減量作用がある
・単独使用では、低血糖は少ない
・週1回の注射でよいものもある
等の特徴があります。

いずれも、日常生活で自己注射できます。注射については、心理的抵抗のある患者さんも多いですが、最近では針も細くなって痛みは軽減していますし、手技も簡便になっています。
当院では、多岐にわたる糖尿病の薬物療法の中から、ひとりひとりの患者さんにとって最適の治療を提案していきたいと考えています。

「糖尿病受診のQ&A」

Q1:初診の時に、予約は必要でしょうか?
A:当院は予約制ではなく、来院順に診察しています。ただし、病状の重い方を優先する場合はあります。 午前は8:30、午後は15:45からの受付になります。
Q2:以前にかかっていた病院の紹介状は必要でしょうか?
A:特に必要ありませんが、お薬手帳や以前の検査結果があれば、とても参考になります。
Q3:1型糖尿病も診てもらえるでしょうか?
A:1型糖尿病の方も多数通院しておられます。1型糖尿病の治療法は、「強化インスリン療法」と「持続皮下インスリン注入(CSII)療法」に大別されます。
前者は1日3回以上のインスリン注射をする治療、後者はインスリンポンプを用いてインスリンを持続的に注入する治療です。
インスリンポンプは携帯電話ぐらいのサイズで、本体は服のポケットに入れて持ち運ぶことができます。
腹やお尻などの皮下脂肪に入れたカテーテル(細い管)から、微量のインスリンを24時間、自動的に注入し続けます(基礎分泌に相当)。
食事前などにスイッチを押せば、追加注入できます(追加分泌に相当)。当院では、前者の「強化インスリン療法」のみ対応しています。
Q4:健康診断で「糖尿病の疑い」を指摘されましたが、特に自覚症状はありません。受診した方が良いでしょうか?
A:糖尿病は自覚症状がないことが多く、早期の診断、治療が重要です。健康診断の結果を持参して、是非とも受診してください。
当院でHbA1c、血糖値、尿検査等を再検査して、必要があれば、「糖尿病検診」のページにある「ブドウ糖負荷試験」を予定します。
Q5:糖尿病の薬を飲み始めたら、一生止められせんか?
A:病状によりますので、いちがいには言えませんが、肥満、運動不足、過食等の生活習慣が原因の場合は、
それらが是正されれば、薬の内服を中止できることは多いに期待できます。糖尿病の薬を内服することを躊躇して、合併症が生じることの方が危惧されます。
Q6:今まで使っていた自己血糖測定器はそのまま使えますか?
A:当院では、多種類の自己血糖測定器の血糖測定センサーに対応しています。
大抵は問題なくそのまま使っていただいてますが、もし対応できない場合には、当院に在庫のある自己血糖測定器に変更して、指導させていただきます。
Q7:以前に糖尿病で大病院に通院していましたが、多忙で中断してしまいました。
A:大病院は平日の日中しか診療していないことが多いですが、当院は水曜日以外の平日の16時〜19時および土曜の午前も診療しています。
是非ともそれらの時間を活用して、糖尿病の治療を続けていただければと思います。
以前に内服していた薬の記録や検査結果があれば、とても参考になります。
Q8:糖尿病の初期症状はどういうものでしょうか?
A:糖尿病では高血糖のため尿糖が増加して、多尿になります。そのために脱水になって、喉が渇きます。
さらに悪化すると、食事で摂った栄養の一部が尿糖として排泄されるため、体重が減少します。ただ、無症状の患者さんも多いので、注意が必要です。

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