アルコールの飲み過ぎが「認知症」の原因になる リスクは3倍以上に
研究チームは2008~2013年に、フランスの3,162万4156人の医療記録を解析しました。期間中に110万9,343人が認知症と診断されました。
その結果、「アルコール使用障害」(AUD)は、あらゆるタイプの認知症、特に早期発症型認知症の発症のもっとも重要な危険因子であることが明らかになりました。
アルコール使用障害は、あらゆる種類の認知症のリスクを、男性で3.4倍に、女性で3.3倍にそれぞれ上昇させるということです。また、全体の5.2%にあたる5万7,353人が65歳以前に発症する早期認知症と診断されました。認知症全体では女性の発症が多かったですが、早期認知症に限ると3分の2(64.9%)が男性でした。
早期認知症と診断された患者の半分以上が、アルコールの飲み過ぎと関連していることも判明しました。
世界保健機関(WHO)は、慢性的な大量飲酒をアルコール換算で、男性の場合は1日当たり60グラム以上、女性の場合は40グラム以上と定義しています。
アルコール10グラムは、ビールでは250mL(ロング缶の半分)、ウィスキーでは30mL(シングル1杯)、ワインでは100mL(グラス1杯弱)に相当します。
「アルコールの飲み過ぎが認知症のもっとも重要な危険因子であることが明らかになりました。特に早期認知症は死亡リスクが高く、飲酒と関連が深いことも分かりました」と、世界保健機関(WHO)とともに調査をしているカナダ精神衛生・依存症センター(CAMH)の精神・保健政策部のユルゲン レーム氏は言います。