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糖尿病やメタボの原因糖質とは ジュースやお菓子が勧められない理由

[2018.12.11]

清涼飲料や菓子類などに含まれる「果糖(フルクトース)」が、食品のカロリーを高めるだけでなく、2型糖尿病や心血管疾患の発症リスクも高めているという研究が、医学誌「British Medical Journal」に発表されました。フルクトースは果物や野菜、フルーツジュース、ハチミツなど、さまざまな天然の食品に含まれていますが、多くはコーラやジュースなどの清涼飲料や、お菓子やスイーツなどの加工食品から摂取されています。世界のフルクトースの消費量は急速に増えています。米国人はフルクトースなどの糖質を多く摂取しており、4人に1人は1日に200kcal以上を摂取しており、5%は500kcal以上を摂取しているということです。これは角砂糖(4g)に換算すると13~32個分に相当すします。そして、ジュースやコーラなど清涼飲料や菓子類などの甘味の強い加工食品の多くに「果糖ブドウ糖液糖」や「ブドウ糖果糖液糖」が甘味料として使われています。コーンスターチ(トウモロコシから作られたデンプン)などから製造される「果糖ブドウ糖液糖」は、果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)を主成分とする異性化糖。工業的に安定して生産でき、価格が安いので、多くの食品に用いられています。

ごはんやパン、穀類、いも、カボチャなどの野菜に含まれる炭水化物が複合糖質であるのに対し、フルクトースやグルコースは吸収されやすい単糖類です。フルクトースは糖の中ではもっとも甘味が強く、多量を摂り続けると体重増加や肥満につながりやすいのです。フルクトースは、ジュースや菓子などに含まれるコーンシロップ(果糖ブドウ糖液糖)が主な摂取源で、フルクトースを単体で摂取することはほとんどありません。これらの高カロリーの加工食品の多くは、栄養的に貧しく、血糖値に有害な影響をもたらすとしています。「消費者は栄養成分表示を見ないと、どの食品にフルクトースが含まれているかを知ることができません」と、カナダ・トロントにあるセント マイケルズ病院の臨床栄養センターのジョン シーベンパイパー氏は言います。米国などの食事ガイドラインは、甘い清涼飲料やお菓子などからフルクトースを摂り過ぎないよう推奨していますが、どの食品にフルクトースが含まれているかを判別するのは容易ではありません。「加工食品を利用するときには、栄養成分表示をよく見ることを習慣化するべきです。健康に良いと思われている野菜ジュースやフルーツジュースなどにも、意外に糖類が多く添加されている例があります」と、シーベンパイパー氏は指摘します。

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