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「超加工食品」が糖尿病やがんのリスクを高める 食べ過ぎには注意

[2018.07.30]

「超加工食品」(Ultra-Processed Foods)とは聞きなれない言葉ですが、実は私たちの身のまわりにあふれている食品です。 米国糖尿病学会(ADA)によると、「超加工食品」とは「糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品。保存料などを添加し、常温で保存できたり、日持ちを良くしてある食品」のことです。果糖や人工油脂などをたっぷり使った菓子パンなどが「超加工食品」です。他にも、▼スナック菓子、▼カップ麺、▼ピザ・ホットドック、▼ケーキ・クッキー・パイ、▼ドーナツ・菓子パン・マフィン、▼高カロリーの清涼飲料、▼ミートボール・チキンナゲット――などがあります。調理済みの「超加工食品」の多くは栄養価のバランスを著しく欠いています。高カロリー、高脂肪、高塩分ですが、他の必要な栄養素であるビタミンやミネラル、食物繊維などはあまり含まれていません。

 
カロリーの半分以上を超加工食品で摂取

 ハーバード大学の研究チームによると、清涼飲料や菓子類などの「超加工食品」に含まれる果糖ブドウ糖液糖などの人工的な糖が、食品のカロリーを高めるだけでなく、2型糖尿病や心血管疾患の発症リスクも高めているということです。「超加工食品」には、添加糖以外にさまざまな添加物が含まれます。塩、油などに加えて、通常の調理では使わないものも含まれている。たとえば、香味料や乳化剤、着色料といった、食品を本物らしくするための添加物です。

米国人は大量の「超加工食品」を消費しており、驚くことに食事の全カロリーの半分以上(58%)を占めているという調査結果が、医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル」(BMJ)に発表されました。 研究チームは「米国健康・栄養調査」(NHANES)の2009~2010年の9,000人以上の食事データを使用して解析を行いました。

摂り過ぎると糖尿病や肥満の原因に

 調査では、果糖などの添加糖の平均摂取量は、米国人の総カロリー摂取量の10%を超えていることも分かりました。これは推奨量の上限を超えています。添加糖はほとんどあらゆる食品に含まれる。パスタソースやドレッシング、クラッカー、パン、調理済みのスープ、ソーセージなど、甘いと感じない食品にも、多くの糖質が使用されています。糖質の過度の摂取は、高血糖や高血圧、中性脂肪の増加、LDL(悪玉)コレステロールの上昇、HDL(善玉)コレステロールの減少、インスリン抵抗性などを引き起こします。米国では2型糖尿病が増えています。米国の糖尿病人口は3,030万人で、糖尿病の有病率は9.4%に上ります。糖尿病予備群の数も8,410万人と多いです。 「超加工食品と添加糖の摂り過ぎが、糖尿病や肥満の増加に拍車をかけている可能性があります」と、サンパウロ大学公衆衛生学部のエウリディス マーティン スティール氏は言います。

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