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「食物繊維」が糖尿病のリスクを減らす インフルエンザの予防にも有用か

[2019.01.22]

食物繊維の多い野菜などや全粒穀物を多く食べている人は、まったく食べない人に比べ、2型糖尿病や心臓病、脳卒中がんなどの慢性疾患の発症リスクが低下することが、新たな研究で明らかになりました。この研究は、世界保健機関(WHO)の委託を受け、ニュージーランドのオタゴ大学が行ったもので、詳細は医学誌「ランセット」に発表されました。 研究チームは、過去40年近くにわたり発表された観察研究と臨床試験を系統的にレビューしメタ解析しました。対象となったのは、世界中で行われた185件の前向き研究と58件の臨床試験です。 

その結果、食事で食物繊維を十分に摂取することで、平均して、脳卒中のリスクは22%減少し、2型糖尿病と大腸がんのリスクはそれぞれ16%減少し、冠状動脈性心疾患による死亡のリスクは30%減少することが明らかになりました。 「研究では、1日に25〜29gの食物繊維を摂取すると効果的であることが示されたました。しかし、ほとんど人は1日に20g未満しかとっておらず、食物繊維が不足しています」と、オタゴ大学のエドガー糖尿病・肥満研究センターのアンドリュー レイノルズ氏は言います。 全粒穀物からとる食物繊維を1日に15g増やすことで、2型​​糖尿病、冠状動脈性心疾患、大腸がんの発症リスクを2~19%低下できる可能性があるということです。 「食物繊維を十分にとることで、心臓病、脳卒中、2型糖尿病、がんなどによる死亡リスクを大きく下げられます。食物繊維が健康に与える影響は、考えられていた以上に大きいことが分かりました」と、同センターのジム マン教授は言います。

食物繊維が豊富に含まれる食事をとっていると、腸の炎症が軽減し、インフルエンザウイルスから保護する作用を得られるという研究も発表されています。 研究は、オーストラリアのモナッシュ大学によるもの。研究チームは、マウスに食物繊維が多い食事を与えると、ヘルパーT細胞への分化誘導が起こることを発見しました。 体には細菌やウイルスなどのさまざまな有害な病原体から守る免疫システムが備わっています。炎症などの免疫反応が起きますが、その司令塔としての役割を果たしているのがヘルパーT細胞です。 「食物繊維を多く与えたマウスでは、与えなかったマウスに比べ、ヘルパーT細胞が活性化していました。食物繊維が豊富な食事は、腸の健康を改善し、腸の炎症を軽減し、インフルエンザから保護することを発見しました」と、モナッシュ大学のベンジャミン マーズランド教授は言います。 食物繊維のメリットとして、心臓病や2型糖尿病のリスクの低下が挙げられますが、それに加えて、インフルエンザの予防にも役立つ可能性があるとのことです。 「食物繊維を十分に摂取することで、腸内細菌叢が改善され、インフルエンザなどの感染症と戦うために、体の抗ウイルス免疫反応が高められます」と、マーズランド教授は指摘しています。

 

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